ファーバーカステル9000番(2) ― 2012年09月10日 18:21
またまた、古くて汚い、鉛筆ネタ。古汚いブツだが、火炎太鼓みたいにめでたい話にはなりそうもない。
でも、憧れのファーバーカステル缶入りパッケージ。
まさか戦前ってことはないだろうから、ただ保存が悪いだけの1990年東西ドイツ統一以降のものなのかなあ。明らかにこっちが古汚いけど、紙のパッケージ(W-GERMANY)より新しいってことなのかな?
・・・とはいっても、1990年東西ドイツ統一といえば、22年前だ。ついこの間のものとはいえないか。正直、90年代って、いまだにそんなに昔のような気がしていないんだけど・・・
>オッサン。そりゃ自分が年取っただけだぜ(T_T)
硬度表示の紙もさほど古そうではないな。
上の3H、2Hが缶入りのもの。下の3Hは前回手に入れた紙の箱に入ったもの。
あれあれ、長さが違う!缶ケース入りは少し長いぞ!?
缶入り3Hだけ、少しデザインが違う。
「GERMANY」が9000の下に書いてあってにぎやかだな。
どっちにしろ、今のものとはぜんぜん違う。今のはこんなカンジ。天秤マークはなくなっちゃって、色鉛筆にあった、戦う騎士になってる。
今のは、ホント、すっきりしたデザインだ。すっきりしすぎ。
缶の中にはいろいろな印刷物が入っていた。こういうのが楽しいな。
こんな風には折れないらしい。でも、芯が砕けるように折れる鉛筆は使った事はないな。昔はそういう鉛筆が多かったってことなのかな?
鉛筆に大きく書かれている、『SV』というのは、Secural-Verfahrenの略だそうだ。英語だと、Secural Process・・・。
なにそれ?Securalって辞書を引いても出てこない。
Googleで検索すると、Secularの間違いじゃないかって指摘される。英語じゃなければそうなのかもしれないなー。
そうすると、「(芯が砕けるように折れないのは)新しい、世俗的な工程で作られた成果」って何? 宗教的おまじないはしてませんってこと?魔法は使ってない?全然分からん。
新しいものにもやはり描かれている、『SV』のマーク!ファーバーカステル9000番鉛筆の絶対重要なポイントなのは間違いないが・・・。
芯の圧着方法に関する何かの技術らしいけど、いまだに通用するすごい技術なんだろうね。
ヨット鉛筆の「PAT.No.178006!ゾル製特許芯」といい、三菱鉛筆の謎のPAT.NO.217586といい、鉛筆にはさまざまな謎が隠されているんだ!
聞いてもきっと分からないんだろうけど、やっぱり気になる。
一体何の意味なんだー、『SV』って!!??
エレキギターの最初がフェンダーテレキャスターで、いまだにその完成度の高さは淘汰されていない事で証明されているみたいなものかな?
少しずつ進化していきながら、その初代が変わらないってカッコよすぎる。
・・・使うために手に入れたのに、もったいなくってなかなか使えない。新しいの買って使うしかないな・・・。>本来の目的を忘れとる!
H.A.FABER !? ― 2012年09月06日 16:12
下のページで、「H.A.FABER製造フォートレス」・・・?なる、赤い鉛筆が紹介されている。
このブログから内容を紹介させていただくと、
大正時代に創業者の赤木廣八が東京神田で文具卸商「赤木廣八商店」を開業して間もない頃の鉛筆です。・・・
という説明から始まって、とんでもないものが紹介されている!
世界屈指の筆記具メーカー、ドイツのファーバーカステル社は、世界初のブランド名鉛筆、「A.W.FABER」ブランドの鉛筆を発売していたわけだが、
・・・1896年に4代目当主ルター・フォン・ファーバーの死去を受け、
その妻が当主の座を引き継ぎ、
さらにルターの孫娘にあたるオッティリエが、
カステル・ルーデンハウゼン伯爵と結婚。
バイエルン王の許しを得て、
ファーバー家からファーバー=カステル家へと家名が変更されました。・・・
とある。そうか、そして今に続くファーバーカステル社になってゆくわけだな。これは、ファーバーカステル社の来歴だ。
・・・このカステル鉛筆が、
当時最大のライバルであった「コヒノール(KOH-I-NOOR)」とその黄色い軸に対抗すべく、
軸の塗装に緑色を採用したというのは意外と知られていない話です。・・・
へーえ、このときあの緑の鉛筆が誕生したのか!
・・・ようやく話が初めに戻りました。
画像のH.A.FABER製造フォートレスなる赤鉛筆は、
コーリン鉛筆の創設者赤木廣八が製造販売した、
純日本製の鉛筆でした。
赤木廣八(Hirohachi Akagi) のイニシャルだったのです。・・・・
なにー!!!!????
・・・
このH,A,FABERの赤鉛筆ですが、
ただ単にイニシャルが一致しているというだけで、
その他には赤木商店につながる手がかりは皆無。
それどころかMADE IN JAPANの記載も無く、
日本国内で発見されたという事実を除いては、
本当に国産品かどうかも疑わしいものです。
裏付けが何ももなければ、
ここまでの駄文はすべて妄想といわれても仕方がありません。
(妄想大好きですけれども 笑)
しかもコーリン鉛筆創業初期(大正末から昭和初期)の製品と断言したかと申しますと、
この鉛筆の入手と前後して、
国会図書館で動かぬ証拠を発掘したからなのでした。
・・・
H.A.FABERのH.A.は赤木廣八のイニシャルであり、
FABERはこの場合単純にパクったというよりも、
18世紀まつから19世紀初めにかけて、
広く鉛筆そのものがFABERと呼ばれていたという説があると述べました。
(ヘンリー・ペトロスキー著「鉛筆と人間」より)
他にもこのような例が無いか探してみた所、
ありました。(笑)
東京文具卸商同業組合〔編〕」1914年 国会図書館蔵
「貴田商店」の独自ブランド品が掲載されています。
画像4本のうち、右から2本目、
「金ゴム付I.K.インター」なる鉛筆の軸に
"I.K.FABER"の表記が確認できます。
・・・
本当に頭が下がります。
芯ホルダー(2) ― 2012年09月06日 13:10
相変わらずの筆記用具ネタ。
先日、100均の芯ホルダーというか、2mmシャープが気に入った件だが、その後ファーバーカステルの芯 「TK 9071」も手に入ったんで、100均2mmシャープを、気分はファーバーカステルの色に塗って、自己満足の浅ーい世界に浸っている。
最初に言っておくけど、これは
ファーバーカステルの芯ホルダーではないよ!
自分で遊んでいるだけだから、偽物を作ってるとかって責めないでね。まあ、自分で偽物っていったんだけど。
それらしく見えるけど、化けの皮がはげて下地が出てる。
でもそれなりに使えるしね。
芯を比べてみると、新しいuniの長さと同じ。というか、三菱のほうが、ファーバーカステルの長さにあわせたんだろうけど。ケースのデザインもいいなあ。
見た目は同じ色のような気がしていたけど、カメラで撮るとずいぶん色が違う。
箱にはやっぱり、W-Germanyの文字。
でも、ケースにはGERMANY
描き味は、鉛筆と同じ。uniの4Hのほうはつるつるした感じで、同じ濃さのファーバーカステルの3Hは少し摩擦抵抗感のある描き味。
この100均の2mmシャープは、ノックすると芯が出るんだが、その指を離すときに少し芯が引っ込んでしまう。なので、研芯器に入れる際、芯の長さを計るスケールに一度さして計った後た後、もう一度、ノックしてやらないと思った長さにならないから、少し面倒くさい。そこは100均だから仕方がないね。これだけのものが100円で買えることが驚きなんだから。ホントにコイツは使える!
ちなみに、ステッドラー マルス ミニテクニコ芯研器 502は太さの関係で、この100均の2mmシャープでは使えない。
ファーバーカステル9000番 ― 2012年09月04日 12:13
どーんとファーバーカステル9000番。オークションで売ってもらったぜ。うれしいなあ。
定価だと高いモンなあ・・・おっと、100均三昧の話題ばっかだったから、そんなしょぼくれた展開を打破するつもりだったのがつい地金が出てしまった。
9000-U-3Hと9000-3Hは、何が違うのかな?
中身にはさすがにGERMANYだけだったけど、先日、近所の生きた化石のようなお店、「江口日曜堂」さんで買ったファーバーカステル9000番2Hにはちゃんと、W-GERMANYの文字が入っていた。
在庫処分で売ってもらった、オークションのファーバーカステル9000番だったのに、「江口日曜堂」さんの店頭には更に古いものが並んでいるんだ。おそらく今も。つぶれないでほしいなあ。ご主人のおじいさんはまだ元気そうだけど、跡取りとかいないんだろうなあ的な雰囲気が店中に充満している。店の来歴なんかを毎回説明してくれるんだ。
ファーバーカステル9000番の書き味は、日本製のuniやmonoに慣れてしまうと、引っかかる感じ、が気になるんだけど、いってみれば、WACOMなんかのペンタブレットの書き味がつるつる過ぎていやなんで紙を挟んだりするあのカンジで、必ずしも悪いもんじゃないんだな。
描いている内に、むしろ、この引っかかる感じが好ましく感じるようになってくる。
故、今監督の「夢見る機械」の設定、原図をさせてもらっていたとき、細かく描くうちに紙が汚れてしまうので、どんどん薄い鉛筆を使うようになっていったんだが、3Hだと汚れて、4Hだと紙によっては薄すぎ。5Hになると、よほど荒れた紙でじゃないと線が定着しないカンジ。というわけで日本製だと4Hが自分にはスタンダードになった。
もちろん、鉛筆は日本製。たしかuniだった。大体どこのスタジオもuniだったような気がする。
なので、先日大量に入手した三菱鉛筆の旧9000番も案外、いいかもしれない。
ツンツンに尖らせて、最初の一描き目に先がつぶれて粉が出る傾向はなかった。
確かに、ファーバーカステル9000番の3Hと三菱鉛筆の旧9000番の4Hの描き味はにているな。
以前は散々悪口を書いて、けなした三菱鉛筆の旧9000番なのに、ファーバーカステル9000番と描き味が似ているとなったら、急にほめるという、まさに日本人の鏡のようなインプレッションになった。日本人を長くやっていると、まさに日本人が板についてくるとはこのことだ。えっへん。
こうしてみると、日本の鉛筆はファーバーカステル9000番の模倣から始まって、どのくらい遠くまで来たのかを競い合っているかのようだ。
コーリン鉛筆 9900番 ― 2012年08月28日 13:19
コーリン鉛筆の9900番はこちらの記事によると
・・・手元に昭和50年1月のの大手文具卸のパンフがあるので調べてみたのですが、当時の主力は深緑の軸の9900がサービスセールで売り出し中。10グロスで2Hから2Bまでの硬度をセットにして小売店に卸していたようです。一ダースは240円。
9900の上位は2020(草色?)で、一ダース360円、更にその上位は5050(ハイピアス)だったようで一ダース840円でした。・・・
という事で、この3Bと5Hってかなり珍しかったりするのかな?
と思っていると、この記事の最後のほうに、
・・・9900(初期)
9900番。上の画像は一本の値段が20円の時代のもの(箱の価格表示による)。写真にははっきり写っていませんが、製造所の刻印も大きく、昭和20年代末から30年代初頭を思わせる雰囲気になっている。686と平行して販売されていたかもしれない。写真は6Hのもので、発売当初はハイピアス同様、広範囲な硬度が製造されていたことをうかがわせる。 ・・・
とあったので、今回のこのコーリン鉛筆の9900番はどうも初期型らしい。
一ダース240円。紙をはがすと、180円、その下は120円だった!
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