丸ペン地獄 & ペン軸加工 ― 2012年07月22日 14:29
NIKKOとタチカワは同じってことなんで、タチカワNo.99、そのソフトバージョンNo.77とゼブラ。実はゼブラにもソフトが有るみたいだけれど、必要性を感じないんで使っていない。
というのもタチカワのソフトバージョンNo.77はゼブラと形がとてもよく似ている。書き味も。
そして、タチカワNo.99、右端がゼブラ。
タチカワのタイトでとてもしっかりした細い線の引けるNo.99に対して、ソフトバージョンの
No.77はゼブラとよく似た、少し弾力のある、でもしっかりとした線が引ける気がする。
なんで想像するに、ゼブラのソフトはおそらくレオナルド製の金丸ペンに近い感じなんじゃないかと。まだ使った事がないから分からないけど。
ブラウゼは更にやわらかく、細い線も引けるけど、ちょっとした抑揚でぐっと太い線になってしまう。このあたり、カリグラフィー独特の個性なんだと思う。絵に使うのは難しいかな、おいらの場合は。
このペン先は径が特殊なんだと思うけど、国産の大概のペン軸にはあわない(T_T)
持ち物の中で唯一、使えたのは東京スライダのRB9606S
そう、丸ペンといえば軸だ。
丸ペンの軸といえば、ゼブラ、NIKKOの木の軸、タチカワのプラスチックの細い軸T-17が有名。
特にタチカワのT-17は真鍮の丸棒が埋め込んであって、フロントヘビーのイイ感じなんだが、いかんせん細くて手が痛くなる。そこで世の諸氏はいろんなものをまきつけてカスタマイズするわけだね。
そこで、おいらもこいつをやっつけてみたわけなんだ。
★ 第一弾はビニールパイプ作戦。内径6mm、外径8mmφのビニールパイプ(1m80円くらいでホームセンターに売ってる)を4cmほどにカット。そいつを水に濡らしてペン軸に装着。その上にプニュグリップで完成!
★ 第二弾はいいものを見っけた!銅製のパイプ作戦。外径8mmφの銅製のパイプ(床暖用って書いてあるから北海道にしかないのかも)をホームセンターで購入。これはおそらく内径が6mm以上あるんでメンディングテープとか、ペン軸に軽く巻いて少しきつくなるようにしてペン軸に装着、以下同文。
重さといい、実にイイ感じだ。
このペン軸、ペン先をつける真鍮の棒がむき出しになっているんで持つ位置がどうしても限定されてしまっていたわけなんだが、このパイプをスライドさせる事で好み持ちの位置が出せる様になった。実に使いやすいよ。
★ 第三弾はペン軸再生!リフォーム作戦だ。普通のペン軸、特に昔のはペン先を突っ込む部分が金属製でややもすると錆びてボロボロになってしまうのだ。・・・これはある程度の年齢が行ってる人間以外経験した事がないかもしれないけど。
こいつを引き抜き、代わりに先ほどのタチカワのプラスチックの細い軸を切って突っ込んでやるのだよ。ちょうどいい太さなんだ!
考えたら、一本切ってしまうんだからあまりリフォームとはいえないかも。でもこれで、長い軸の丸ペンペン軸が完成!重さのバランスがいいような悪いような・・・。やっぱり長いペン軸は自分には向いてない事が分かった。
でも、このタチカワのT-17も実は廃番ということらしい。このT-17改造計画は一歩間に合わなかったということだ。残念。
番外編
今、東京スライダやタチカワから一般のペン先でも丸ペンでもつかえる汎用ペン軸が出ている。
東京スライダ(ペン軸)
TACHIKAWA-立川ピン製作所
一般のペン先をつけてみると、差込部分がプラスチック製で、なんだかグラグラして気持ちが悪い。ところがこれにタチカワやNIKKOの硬い丸ペンをつけて使ってみると、弾力が有って、とても面白いんだ。
ちょっと面相筆のような感じかな。もちろん、ほかのやわらかい丸ペンでもいいのかもね。この感じが好きで一般のペン先をつけて使ってる人もいるのかもしれないけど。
いままで、まったく使えないと思っていたグニャグニャペン軸の使い道ができて、まったく思いがけず得した気分であります。
ついに来ました、日光ペン!(その4) ― 2012年05月31日 16:00
ついに来ました、日光ペン!(その3) ― 2012年05月31日 10:11
こうしてみると壺って漢字はホントにツボだな。開明からも確か似たようなものがでてたような気がするけど、結構な値段がしていたはずだ。
http://www.sai-z.com/glass/glass_syousai172.html
でも、洗面器の例もあるから、言葉としては洗ペン器が正しいんじゃないのかな?
まえは、ペン先の乾いたインクのカスをカッターでガリガリやってたけど、こんな便利なものがあったんだね。現役のころに出会いたかったな。ああ、また乗り遅れてしまった。~街はいつでも後ろ姿の幸せばかり~。・・・はぁ~・・・ マスター、もう一杯注いで。 おっと、たそがれてる場合じゃない。これからまた現役に復帰するんじゃなかったのか?
最近、TACHIKAWAから出てる、TANK MASTER ってシリーズは、
http://www.tachikawa-net.co.jp/bungu/tank.html
カリグラフィー用のペン先みたいにインクをためる部分が後付けされてるんだけれど、こいつはインクが残っていたら、完全にふき取るのは難しいし、固まったら落とすのは大変そうだし、どうすっぺと悩んでいたところだった。まさに渡りに哲也じゃなかった船とはこの事だわい。
よかったなー、いいモンが手に入って!
ついに来ました、日光ペン!(その2) ― 2012年05月30日 16:19
でも正真正銘の昭和もの。その証拠は中に入ってるご愛用者カードだ。このカードで交換できる一番上の景品は、ペン先だけにオリンパスペンSF3.5!昭和のオヤジギャグだぜ!SFってのは分からなかったけれど、写真から見ると、なんと初代!登場は1959年じゃないか!
おいらが小学校に上がる前のペン先なのはほぼ間違いない!ご愛用者カードは、これで4枚ゲットだ。ラッキー!
でもよく見ると、靴下もらうんでも15枚も必要だぞ!オリンパスペンにいたっては600枚?! 昭和の人は、いったいドンだけペン先使ったんだ!?えっ、確か、この箱には4000円くらいの値札がついていたはず・・・げー240万円分も必要だったわけ?当時の値段で?なんかの間違いだな。また後から調べてみよう。 おいらが小学校の6年生とき、とんでもない田舎に住んでいたのだったが、お土産に丸ペンセット、今も売ってる、NIKKOペン先10本とペン軸のセットをもらったんだよ。あのころからこのペン先は店先におかれていた事になるな。どんだけ売れない店だったんだ?
ああ、もっと練習しとけばよかったなあ。小学生に丸ペンのセットを買ってくる親も不思議だが。全然使えんかったことだけ覚えてる。
ところで、師匠の原画展も無事終わったようだし。おいらは行けなかったけど。あのころは、おいらも若かった。仕事が終わって、朝方、吉祥寺の街の中に飲みに出たもんさ。通勤通学の人の群れの中で白い目で見られているのをヒシヒシ感じながら。
「俺たちは、つい今しがた迄仕事してたんだよ!」って言い訳を声に出して。誰に、というわけでもないけど、何か社会通念上後ろめたい気がしてたんだね。体中にスクリーントーンのくずをつけたまま、頭はボーボー、フケだらけ、ひげボーボーで目やにだらけ。きっと、臭かっただろうなあ。最後は三日は完徹!(全く寝ない完全な徹夜の事を指して完徹(かんてつ)と表現することもある。・・・- Wikipedia)不眠トリップでヘラヘラして!気味悪かったんじゃない?周囲の人。
よく、店に入れてくれたもんだ。というか、よくそんな時間からやってる店があったもんだな、当時。あ、今でもあるのかもね、吉祥寺なら。
師匠は、今度、少年サンデーで連載始めるそうですな。遠くの空の下から応援してまっせ。っていうか、自分もやらにゃ、モウ食っていけないんだからがんばれよ>俺!
そのためのブログだったはずなのに、完全に趣旨を逸脱してんなあ。最近。
さて、今回、手に入れた中でも一番古そうな日本字ペン。定価って字が旧字体ではげてるんで値段が分からんが、戦前ものかもしれない。おそらくそうだな。ニューム製で表面は少々酸化が進んでる。現代のものと比べると、ペン先の先端の返しの部分の大きさが違う。まだ使えるのかな?
追記・・・ニューム色はニューム製じゃなかった(T_T)。勉強不足でした。
ウィキペディアによると、「鋼素材にすずメッキを使用し表面を半光沢(ニューム色)にした物」ということだね。でも、ニューム製って信じている人は多いんじゃないかな?「ニューム製は、減りが早い」ってよく言われているし・・・。
ピッカピカだけど、ジスマーク付が昔のペン先。スクールペンは孔の形に違いがある。
そしてさじペン。美しすぎる!
きっとうら若き女工さんが手作業でつめたに違いない。間違いない。きっとそうだ! さじペンなんて、今までも全然使ったことがないのに、ニュームとクロームのNo.357、ニュームのNo.360ゲットだぜ。
まるで博物館!オークションってすごいぜ!こんなにたくさんのペン先に囲まれて、これが幸せってもんかな(T_T)
ついに来ました、日光ペン!(その1) ― 2012年05月30日 13:50
待望の古い日光のペン先だ!しかも一生かかっても使い切れない量!>どうすんの、いったい?
まず見ていただくのは、ペン先の王様、丸ペンだ!なぜ丸ペンが王様なのかは、主観によるものなので突っ込まない事。
ここで、少し日光ペンの歴史を紐解いてみようと思ったけど、はしょってリンク!
http://www.nibic.co.jp/enkaku.htm
現在では二ビックという会社に変身してたなり。先代社長、門馬久直氏が亡くなられ、現在の社長が就任後、筆記具製造業から貸ビル事業へと大きく事業転換をされたとのこと。
http://www6.plala.or.jp/guti/cemetery/PERSON/M/monma_h.html
先代社長、門馬久直氏、ペン先型の墓石!これはすごすぎる!まさに、ペン先人生だった方だ!時代の流れとはいえ、方針が変わって、会社が筆記用具から撤退してしまった事はさぞや口惜しかった事だろう。
とは言うものの、おいらもしばらくはデジタルでオッケーな方針だったし。ここに来ていきなり温故知新な方向転換も少数派なのは間違いないな。
アナログでも「おいらはゼブラがいい!」ってかたがたも、たくさん居られるに違いない。師匠もそうだったし。でもね、そんな違いの分かる男たちと女たちと中間の人たち、有象無象の諸氏も、この墓石の事実の前には一歩下がって、一度は手を合わせるべきなのではないだろうか?
知っておいてソンはないけど得もない豆知識?そんな事いうなよー。
ああ、東京にいる間に知っておきたかったこの事実。また乗り遅れてしまったのね。~街はいつでも後ろ姿の幸せばかり~。
おっと、また昭和歌謡の世界に浸ってしまうところだった。
そこで早速見ていただこう、丸ペンから!まずはペン軸!
きったねー!ペンキはハゲハゲなのは経年変化として仕方ないにしても明らかに作りが雑!これは、ゼブラと正反対だな。塗ってあるペンキにダマがあるぞ。ひどい仕事だな。
ペン先が穴に入っていかないのはおそらく極度の乾燥で縮んでしまったからだろう。
それでも12本入りの箱に入ったダースです。
外国製のMAPPING PEN(丸ペン)で、ひょっとすると合うのがあるかもしれない。
ペン先は、今のNIKKOの丸ペン(TACHIKAWAと同じ工場で作ってるらしい)と比べてみると、少しペン先の先端が太い気がする。まだ使ってないから分からないけど。
師匠の連載時のアシスタントで使ってたゼブラの丸ペン36本入り。今数えたら、31本残ってる!えっ、10年で5本しか使ってないの?これはさすがに違うだろ??一箱は使い切ったってことなのだろうか?全然覚えてない。
まあ、とにかくそのくらい丸ペンは取り替えないってことだな。師匠も順繰り太くなっていったものを人物用に切り替えていってた。金属疲労である日ポッキリ逝ってしまうんだが、その瞬間、懐かしい日々が脳裏に去来し、やりきれないむなしさにさいなまれたものだった(T_T)。そのくらい長い付き合いができるの、丸ペンって。
さあ君も今日から丸ペンとの長い付き合いを始めてみないか?
cf.
一本一年は持つけど、不良品もあったとして半年計算でも1箱18年。
今ある丸ペン、全部合わせるとあと100年は大丈夫だ。これでモウ安心だな。丸ペンは買わなくても。
これじゃ商売にならんわけだよ。
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